AI-OCRは通常のOCRと何が違う?違いやメリットについて解説

2020.3.5

インターネット回線が5Gになることや人工知能の技術進化により、2020年以降、大きく社会が変化するといわれています。これまでの当たり前は古いものとなり、考えられなかったような社会が、これから広がりをみせていくことでしょう。

AIなどの技術進化は、もうすでにさまざまなツールにも反映されており、OCRにおいても例外ではありません。とくにAI機能を含めたAI-OCRは、通常のOCRでは実現できなかった機能を搭載し、多くのメリットが感じられるものとなっています。

今回は、AI-OCRについて、通常のOCRとの違いや、生産性の向上が実現することをご説明していきます。

通常のOCRとAI-OCRの違い

通常のOCRとAI-OCRの違いを、それぞれの特徴を比較する形でみていきましょう。

通常のOCR

まず、通常のOCRについて、2つの特徴をご紹介します。

  • 帳票の文字をテキスト化できる

    通常のOCRでは、あらかじめレイアウトが決まっている帳票を読み込むことができます。文字を読み込みテキスト化することで、範囲選択や装飾、コピー、検索などができるようになります。

  • 文字の読み込み速度が速い

    通常のOCRでは、帳票の形式が限られているため、読み込みをする場所が分かりやすく、読み込み速度が速くなっています。

OCRにAIを利用するメリット

近年では、OCRにAIが組み込まれてきています。通常のOCRと比べて、どのような点が進化しているのか、2つの特徴をご紹介していきます。

  • 文字認識率の向上

    通常のOCRでは、手書き文字を1枠1文字で認識するのが基本で、自由記述式アンケートのようなフリーピッチでは認識率が低くなる傾向にありました。そこで、AIのディープラーニングによって、文字の認識率を向上させるAI-OCRが誕生しました。事前に手書き文字データを学習させることで、限りなく正確な文字認識が可能になりました。今では手書き数字は99%以上、手書き日本語についても90%以上の認識が可能です。

  • レイアウト解析の精度が向上

    AI-OCRでは、書式が一定ではない文書にも対応できます。請求書など、企業ごとに書式が異なるものでもより正確に読み込めるようになりました。また、チェックマークなどの認識も可能です。

通常のOCRは、あらかじめレイアウトが決まっている「定型帳票」の読み取りがほとんどでしたが、AI-OCRはレイアウトの決まっていない「非定型帳票」にも対応可能です。

AI-OCRの導入により生産性の向上が実現する

AI-OCRをRPAと連携することで、さまざまな作業レベルの業務を自動化させることができ、生産性の向上を実現します。これまでは人が行わなければならなかった作業を機械に行わせることによって、従業員は人にしかできない仕事に集中できます。

では、具体的にどのようなシーンで生産性の向上を実感することができるのでしょうか。例として、4つのシーンをご紹介します。

請求書のデータ入力業務

請求書を取り扱っている企業では、毎月さまざまな形式の請求書データを、従業員が手作業でシステムやエクセルに入力しているケースがあります。AI-OCRのレイアウト解析で異なる書式を読み取り、そのデータをRPAが入力することによって、従業員は人にしかできない業務を行えるようになり、より生産性の高い仕事をすることができます。

手書きアンケートの集計業務

アンケート集計など、データの統計を出すような業務を行う企業においては、膨大な数の手書き文字データを従業員が集計し、入力することが多いでしょう。このような場合にも、データの読み込み・入力をAI-OCRとRPAに行わせることによって、生産性が向上するだけでなく、入力ミスなどのヒューマンエラーも防ぐことができます。

申込書のデータ入力業務

たとえば保険会社では、契約に必要な申込書の記入をお客様が行ったあと、その内容をシステムに入力する作業は事務員や担当者などが行いますが、それらの作業をAI-OCRとRPAに行わせることで従業員は他の仕事に集中できます。

納品書のデータ入力業務

商品を入荷する業務を行っている企業において、納品処理をAI-OCRとRPAに行わせることが可能です。担当していたスタッフは別の生産性の高い業務に集中することができます。

まとめ

今回は、AI-OCRについて、通常のOCRとの違いや、生産性の向上が実現することをご説明しました。

AI-OCRは、すでに企業が業務で利用できるほど精度が高まっており、人間に代わる労働力として期待されています。AI-OCRを導入する際には、利用用途などを明確にするほか、中長期的な利用を考え選択すると良いでしょう。

PFUが提供するAI-OCRでは、きめ細かなチューニングを設定でき、手書き文字から活字、バーコードまで幅広く対応しています。ぜひ、AI-OCRの導入を検討している場合はご活用ください。

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